日本画とは何に

日本画とは何に?「日本画とは」とたずねられても、正直いってどう答えて良いか戸惑います。千年近く日本の風土の中で築かれたもの。私なりに考えてみました。日本画の岩えのぐと油えのぐ・水彩えのぐ・アクリルえのぐも、鉱物を中心とした顔料、同じものです。日本画、岩えのぐは他のものとくらべ粒子が大きいのは確かです(岩えのぐで最もこまかい白(びゃく)でも、他の顔料とくらべ4倍粒子のつぶが大きいのです)。それは発色の強い画面を作ります。同じ色を何回も重ねてゆくと、発色の強さは一目瞭然です。この顔料を画面に定着させる接着剤に目を向けてみると、油絵の油・アクリルのメディウムより、日本画の接着剤(にかわ等)で顔料を練るほうが、顔料を包む接着剤の膜が薄く顔料の美しさを損なわないのです。この発色を生かすように整理された線、整理された形で絵は構成されています。江戸時代頃から技巧的な工夫も出てきますが、何百年のあいだに整理される画面はすっきりした中でかがやいています。長い年をかけて日本の風土の中で生きづいて来た感覚は、いつの間にか我々の遺伝子の中に組み込まれているはずです。気の力も大事な一つかもしれません。機械で練るのと自分の手で皿の中で顔料を練る作業の違い、気のこもった線と面、丸筆の独特な弾力、今でも手で作る筆。手の持つ力がいたるところにあるのです。日本画のこの感覚を生かしてゆきたいと思っています。世界は興味を持って見ています。伊藤髟耳


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